2023/12/29

【2023年版】最近の木造アパートの防音性は?騒音の種類と最新の防音設備をご紹介!

木造アパート 防音

最近の木造アパートは「防音性」が大幅に進化しているのをご存知ですか?高い遮音性を持つ建材を使用することで、他の建築構造の性能に近い防音性が実現できるようになりました。

とはいえ、以下のような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

「音のことを考えて建築構造を慎重に選びたい」

「具体的にどんな防音設備があるのか知りたい」

そこでこの記事では、

・騒音の基礎知識

・建築構造別の特徴と防音性

・木造アパートの最新防音設備

の順番に、わかりやすい解説でお悩みを解消いたします。

土地活用のためのアパート建築で「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」のどれにするか迷っている方は、この記事を読んでぜひ木造アパートに対するイメージを一新してください。

騒音には種類がある?特徴を整理

木造アパートの騒音には、空気を伝わる「空気音」と、床や壁などの躯体を伝わる「固体音」があります。

「空気音」と「固体音」は、それぞれ音が発生する原因が異なります。また、特徴や有効な騒音対策も異なるので、まずはひとつずつ詳しく見ていきましょう。

空気音

​空気音とは、音が空気を振動させて伝わるものです。例えば上の階や隣の部屋から聞こえてくるテレビの音や話し声、赤ちゃんの泣き声などが該当します。

空気音は、空気を通じて音源から球体状に振動が伝わっていき、音源から離れるほど音が小さくなるのが特長です。途中に空気の振動をさえぎる「壁・床・天井」がある場合も、音が小さくなります。

そのため、「壁・床・天井」の重量を上げたり壁の内側に吸音材を入れたりすることで振動を低減させ、空気音を小さくすることが可能です。

固体音

固体音は、力や振動が「壁・床・天井」といった固体の中を伝わり、離れた場所まで届く音のことを指します。

糸電話を想像してみてください。一階と二階で糸電話を使って会話するとき、ささやき声でも声がしっかり聞き取れますよね。これは、糸(固体)を通したほうが、空気を通すよりも音が遠くまで届くという身近な例です。

木造アパートの場合、壁や天井などの「躯体」を通して音が遠くの他住戸へと伝わります。具体的な例として、こどもが床にドスンと飛び降りたり、ドアやサッシを勢いよく閉めたときのバタンという音が挙げられます。

固体音を低減するためには、床の質量や重量を増加させることが有効です。また、弾性のある建材を使用することで、特に、スプーンなど軽くて硬い物を落とした際に生じる高い音(軽量衝撃音)を低減します。

騒音レベルの目安

音の大きさ(音圧)を表す単位は「デシベル(dB)」です。これを人間の聴覚を考慮して補正したものを、騒音の大きさを表す単位「デシベルA(dBA)」で表します。

音の大きさを実際の音を例としてまとめたものが、以下になります。

出典:井上 勝夫 『イラストでわかるマンションの「音のトラブル」を解決する本』あさ出版,2021年1月30日,p.47-48 を参考に作成

世界保健機関(WHO)が欧州地域向けに作成した「環境騒音ガイドライン」では、騒音による睡眠障害の閾値は40dBとされています。

音への感度は人によって異なりますが、入居者の睡眠に影響を与えないためには、おおよそ35dB以下を目安とした騒音対策が必要といえるでしょう。

アパート建築の種類と特徴

ここからはアパートの建築の種類について詳しく見ていきます。アパート建築は「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」が主流です。それぞれの特徴をご紹介いたします。

木造

木造アパートは、柱や梁など、木材を主要な構造材料として建築しています。大きなメリットは、他の構造よりも建築コストを低く抑えやすいことです。
木造は加工が容易で、自由な間取りが可能。リフォームの際も大幅に間取りを変更することができます。

さらに、木造アパートは調湿性が優れ、鉄筋コンクリート造と比べると結露が少ない特徴があります。木材が湿度を調節してくれるため、カビが発生しにくく、アレルギーを引き起こしにくい住環境です。

鉄骨造

鉄骨造は、​​鉄骨を主要な構造材料として建築しています。鉄骨造は、鋼材の板の厚さによって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」に分けられます。

「軽量鉄骨構造」は鋼材の厚みが6mm未満のものを指し、「重量鉄骨構造」は鋼材の厚みが6mm以上のものを指します。

木造よりも建設コストが高くなりがちです。

鉄筋コンクリート

鉄筋コンクリート造は、鉄筋でつくった型枠にコンクリートを流し込んで固めたものを主要な構造材料として建築しています。鉄筋コンクリート造の建物は強度がとても高く、法定耐用年数は47年とされています。

鉄筋コンクリート造は木造と比較すると建築コストが高くなります。また、重量があるので軟弱な地盤には地盤工事が必要です。

アパート種類による防音性

続いて、アパートの種類による防音性について見ていきましょう。

そもそもアパートの界壁(隣の住戸との堺の壁)には、「隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減する」ための遮音性能基準が「建築基準法第30条」で定められています。

そのため、すべてのアパートは最低限の防音性が保証されていることになります。具体的な基準は下の表をご覧ください。

界壁の遮音性能の基準(下限値)

「透過損失」とは、音が壁によってどれくらい弱くなったかを表したものです。例えば、500Hzの高さで80dBの大きさの生活音が、隣戸で40dBの大きさで聞こえる分には、基準をちょうどクリアしているということになります。

では、アパートの種類による防音性の違いはどの程度あるのでしょうか。

木造アパート

従来の木造アパートは、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比較すると、構造上防音性が低いのが普通でした。しかし、近年は新しい技術により開発された防音材が使用されるようになり、他の建築構造に劣らない高い防音性を発揮できるようになっています。

鉄骨造

「軽量鉄骨構造」は木造よりやや防音性が高く、「重量鉄骨構造」は軽量鉄骨よりやや防音性が高いとされています。
基本的には重量鉄骨は大型のマンションに用いられる構造なので、アパートに用いられるのは「軽量鉄骨構造」です。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造は、木造や鉄骨構造と比較すると一番防音性が高い建築構造です。ただし、子供がドスンと床に飛び降りるような「重量床衝撃音」はそれほど他の建築構造と変わりません。

木造アパートの最新防音設備

ここからは木造アパートの遮音性を向上させる防音設備をご紹介していきます。特に最新の技術を採用した「防音壁」や「防音床」について詳しく見ていきましょう。

防音壁

近年の木造アパートに使用される壁材は、従来よりも硬度の高い石膏ボードの開発により、防音性能が大きく向上しています。また、断熱材に吸音性・遮音性の高いグラスウールを用いることで壁の振動を抑え、お互いの生活音が極力伝わらないようにすることが可能です。

タカマツビルドでは、独自技術である「ノンサウンドウォール(遮音壁)」を採用しています。ノンサウンドウォールは、通常の石膏ボードの4倍の表面硬度を持つ「タイガースーパーハード」と、振動して音を吸収する「グラスウール」を併用しています。

さらに、壁を二重にすることで振動を抑制し、遮音性を向上させました。この独自の構造により、高い遮音性が実現。騒音トラブルを防ぎ、入居者に快適にお住まいいただけます。

防音床

騒音トラブルの中で特に頻繁に起こるのは、上の階で走ったり物を落としたりした際に生じる「床衝撃音」。

実際にこの床衝撃音を軽減するために、タカマツビルドが取り入れているのが「ノンサウンドフロア(遮音床)」です。

「遮音ボード」は最も重くて硬い石膏ボードで、重量床衝撃音の対策に非常に効果的です。床材は重量感が増すことで振動(音の伝わり)が低減します。通常の石膏ボードや合板と比較して約2倍の重さがある遮音ボードは、床用途に最適なのです。

また、特殊制振材である「サウンドカット」は、硬化後でも弾力性を保持することが可能です。これにより、遮音ボードとその下地の材料を組み合わせることで、とくに軽量床衝撃音に対する高い効果を発揮します。

また、床根太(床構造の一部)と階下天井との縁切(部材同士の隙間を空けて触れさせないようにすること)により、床衝撃音の遮断性を向上させます。

防音サッシ

子どもの声やテレビの音などは、お互いに窓を開けていると外から回り込んで聞こえることがあります。このような場合に効果的なのが、「ペアガラス」や「二重サッシ」といった防音効果が高い窓です。

これにより、木造アパート内で発生する生活音だけでなく、車の走行音などの外部からの騒音も効果的に防ぐことができます。

防音建具

「玄関・ドア引き戸・開き戸」といった建具の開閉音も、意外と大きな音がするものです。建具の開閉音は、ぶつかることによって生じる固体音なので、できる限り衝撃を抑えて振動が伝わらなくすることが重要となります。

これには、ダンパーを使用した閉まるスピードがゆるやかな扉や、自動的にゆっくりと閉まる引戸クローザーなどが有効です。クッション性がある戸当りの建具を選ぶのもいいでしょう。

防音排水管

キッチンやバスルーム、トイレなどで水を流す「排水音」がクレームの対象となることも珍しくありません。このような問題には「防音排水管」の採用が効果的です。

吸音材や遮音材を使用した防音排水管を導入すると、排水音を最小限に抑えることができます。また、一度に流れる水の量を減らすことも効果的な対策です。

例えば、水の流れる量や節水消音タイプのトイレ、穴の小さなシャワーヘッドなども排水音に影響を与える要因となります。これらの対策を組み合わせることで、より排水音を低減できます。

まとめ

木造アパートは、遮音性能が高い建材を使用することで、入居者が快適に過ごせる防音性を実現することができます。

自由なデザイン性など「木造ならでは」の魅力がありますので、アパート建設をご検討の際は、ぜひタカマツビルドまでお気軽にご相談ください。

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