2024/05/24
アパート経営における太陽光・シェアでんきのメリットや注意点を解説!
「太陽光発電のメリットってなに?」「アパートに導入できる?」とお考えではありませんか?
さまざまな物価の値上がりが続く昨今、アパート経営において、長期的な視点で資産価値の維持や次世代への継承を考えたときに、今から備えておきたい設備のひとつとして、今回は太陽光発電をご紹介いたします。
ここでは太陽光発電と「シェアでんき」について解説します。太陽光発電が注目される理由をはじめ、「シェアでんき」の仕組み、導入することで得られるメリットをご紹介します。ぜひご覧ください。
太陽光発電について
太陽光発電は、エコなエネルギーとして注目を集めています。加えて電気代を抑えることもできる優秀なシステムです。本項目では、電気代を注視すべき理由と、太陽光発電の基本的な仕組みについて解説します。
昨今の電気代事情
近年、燃料価格が全体的に高騰し続けており、電気代も上昇しています。下記の図をご覧ください。
特に2021年はロシアとウクライナによる紛争が始まった年でもあり、不安定な情勢から燃料価格が上がっています。例えば2015年には1klあたり37,511円だった原油が、2022年には93,600円と、およそ2.5倍も価格が上昇。各電気事業者は「燃料費調整額」という枠を利用して、電気代の値上げを進めています。
最近では円安が進んでいることも影響しており、電気代の高水準は今後も続くと予想されています。
「一生支払い続ける“ローン”」とも言える電気代ですが、賢くやりくりしていくことが、安定した経営につながっていきます。
環境に優しい太陽光発電がおすすめ
燃料価格の上昇が続く昨今において、太陽光発電は有用な手段の一つです。なぜなら太陽光発電は太陽の光を利用して電気を生成するシステムであり、世界情勢に左右されず、安定した発電供給が行えるからです。
また自然エネルギーを利用するため、量に限りのある化石燃料とは異なり、枯渇の心配がありません。さらにCO2などの大気汚染物質を排出することもないため、環境に優しい点も特徴です。
以上のように、太陽光発電は持続可能なエネルギーソリューションとして評価されており、電気代に悩まされている今こそ注目すべきクリーンな電気なのです。
アパートで太陽光発電を利用するメリット
電気代が世界情勢に左右される現代において、太陽光発電をアパート経営に導入することには多くのメリットがあります。以下では、具体的な内容を詳しく解説します。
売電で収入が得られる
アパート経営において、収益の安定化は重要な課題です。太陽光発電システムを導入することで、電気代を削減するだけでなく、売電による収入を得られる点がメリットとして挙げられます。
例えば10kW未満のソーラーパネルを設置した場合、売電価格は16円/kWh(2024年度)です。価格は毎年変動しますが、家賃収入以外の収入が得られれば、経済的にも精神的にも余裕が生まれます。
また「持続可能なエネルギーを導入している」という点で物件価値が高まり、入居者の増加が期待できるなど、空き室対策にもつながります。
ランニングコスト削減につながる
加えてアパート経営のランニングコスト削減につながる点も、太陽光発電の大きなメリットです。
メーカーによって太陽光パネルの規格は異なりますが、1kWの発電には約4.75㎡(畳3枚弱)のパネルが必要と言われています。4人家族が1日に使用する電力量と言われる4kWを発電する場合、設置面積は約25~40㎡程度必要になり、一般家庭などに設置する場合はこちらの数値が目安となります。アパートに設置する場合は戸建て住宅よりも多くの面積を利用できますので、さらなる発電量が期待できます。
例えば太陽光で発電された電気を共用部に利用するだけでも、アパート全体の電気代削減につながります。また、オーナー様の自宅がアパート内にあれば、自宅の電気代の一部を賄うという選択肢もあります。
発電量は設置する屋根の大きさや形状、角度によっても左右されますので、詳しくは専門家にしっかり相談するようにしましょう。
災害時の備えになる
太陽光発電システムとさらに蓄電池システムを併設して導入することで、災害時においても大きなメリットがあります。例えば地震や台風などの自然災害が発生し、地域一帯が停電してしまうと、マンションやアパートの電力供給が停止してしまいます。そうなるとエレベーターが使えなくなったり、給水システムが停止してしまったりといった問題が発生するでしょう。
しかし、太陽光発電システムと蓄電池システムを導入すれば、災害時でも電力を確保することが可能です。自家発電が可能なため、停電時でもエレベーターや給水システムを稼働させることができます。ライフラインを確保し、住民がより安全に過ごせるよう検討しておくことは、災害時の混乱や不便を大幅に軽減することにつながります。
アパートで太陽光発電を利用するときに注意したい点
太陽光発電をアパートに導入することには多くのメリットがありますが、同時にいくつかの注意点もあることを覚えておいてください。導入前に把握しておくことで、システムの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
初期費用が高くなる
アパートに太陽光発電を導入するには初期費用がかかります。一般的に太陽光発電を導入する場合、初期費用だけで少なくとも100万円以上は必要となります。
実際、資源エネルギー庁が算出した太陽光発電の設置費用は、新築住宅の場合、1kWあたり平均28.8万円です(2023年)。例えば10kW分設置する場合、約280万円は必要になります。
参照:資源エネルギー庁「太陽光発電について」
太陽光パネルは年々需要が増えて、量産できる商品になってきたため、求めやすい価格になってきましたが、購入するメーカーや設置業者によって価格は変動しますので、しっかりと比較検討することが大切です。
メンテナンス費用がかかる
加えてアパートに太陽光を導入すると、発電効率を維持するためにメンテナンス費用がかかる点も覚えておきましょう。清掃をして清潔さを保ったり、部品や機器類の交換を行ったりする場合は、パネルの数や大きさによって異なりますが、メンテナンス費用は数十万円程度にもなります。
しかしメンテナンスは太陽光発電システムを長く使用するために必要なものです。正しくメンテナンスを行うことで、システムはおよそ30年利用することができます。
アパートで太陽光発電を利用する方法
環境に優しいうえに電気代を削減でき、収入も得られる点が特徴の太陽光発電。実際にアパートに導入する場合、どのようにして利用することができるのでしょうか。本項目では、太陽光発電で得られる電力の使い方についてご紹介します。
共用部で使う
まずアパートの共用部で使う方法が挙げられます。例えば廊下やエントランス、階段の照明、エレベーターの電力などに利用できます。
共用部に太陽光発電の電力を利用することで、アパート全体の電気代が削減でき、災害時にも安全や利便性を確保することが可能です。
オーナー住戸で使う
次にアパート内にあるオーナー住戸で使う方法が挙げられます。照明や冷蔵庫、電子レンジにテレビなど、家電は日常の中に溢れています。これらを太陽光発電でまかなうことができれば、自宅の電気代が節約でき、電気を自給自足することで環境負荷を少なくすることが可能です。
また事業用の大型パネルを設置したうえでオーナー住戸に電力を回すことができれば、売電収入を見込むことも可能となります。
新築への設置がおすすめ
アパートに太陽光発電を導入する場合、どこで利用するのか、どのくらいの規模が必要なのかを十分に検討する必要があります。よってこれから太陽光発電を導入する場合は、新築アパートへの設置の方がおすすめです。
既存のアパートでも設置することは可能ですが、中には条件が揃わずに希望の大きさのパネルを準備できない場合もあります。
新築時に設置すれば、パネルの大きさや必要面積を設計段階から決めることができ、太陽光発電の力を最大限発揮できます。また入居者のいない段階で設置できるため、施工上も安心です。
これからアパート建築を検討している方、近いうちにアパートの建て替えを考えている方は、ぜひ一度太陽光発電の導入を考えてみてください。
今注目される「シェアでんき」とは
太陽光発電を検討する際、近年登場した選択肢として「シェアでんき」という仕組みがあります。「シェアでんき」とは、シェアリングエネルギー社が提供する太陽光発電システムを利用したサービスです。「シェアでんき」の特徴を見ていきましょう。
初期費用が無料である
まず特徴となるのは、初期費用が無料であることです。先述の通り、太陽光発電を設置する場合、少なくとも100万円以上の初期費用がかかります。
一方「シェアでんき」であれば、太陽光発電システムに必要不可欠な太陽光パネルや施工費も無料で設置することが可能です。アパート建築においても最初の出費を抑えられるため、安定した収支計画を立てられます。
その背景にはユーザーが契約期間中に支払うサービス利用料があり、使い切れなかった余剰電力の売電収入はシェアリングエネルギー社が受け取ることから、初期費用は無料となっているのです。
電気の購入が安価である
「シェアでんき」利用時は、電気を比較的安価に購入することができます。
契約期間中の15年間はシェアリングエネルギー社が売電収入を受け取るため、顧客は「1kWhあたり22円(税込)」で電気を購入することが可能です。他の電気事業者が「1kWhあたり平均31円」で電気代と考えると、「シェアでんき」はとてもメリットある仕組みであると言えます。
メンテナンス費用を抑えられる
「シェアでんき」は、メンテナンスにも特徴があります。
契約期間中はシェアリングエネルギー社がメンテナンス費用を負担してくれるため、ランニングコストを大幅に抑えることが可能です。契約期間は15年ですから、太陽光発電システムの寿命の約半分をメンテナンスのことを気にせず生活することができるのです。
契約期間後にシステム一式が譲渡される
「シェアでんき」では、契約期間終了後、設置されている太陽光発電システム一式がユーザーへ譲渡される仕組みになっています。
つまり、システム設置から16年目以降は発電された電気を自由に利用することができ、使わなかった電気は引き続き売電することが可能です。築15年以降は水回りなどのメンテナンスが必要になる時期と重なりますので、この時期に電気代の負担を減らしておけることは長い目で見ても経済的だと言えるでしょう。
物件を購入する金額に上乗せすることなく、太陽光発電システムも購入できる点が「シェアでんき」の大きな特徴であり、現在多くのアパートオーナー様に注目されているサービスです。環境に配慮し、かつ導入しやすい自然エネルギーのサービスは今後も増えていくと予想されます。最新の情報にしっかりアンテナを張り、長期的に安定した経営に活かしてください。
まとめ
太陽光発電は環境に優しく、経済的にも自然環境においても、持続可能なアパート経営を目指すためにも考えておきたい設備です。またアパートは戸建てに比べて屋根部分が大きいため、太陽光発電システムを設置すれば長期的な収益が期待できます。
タカマツビルドでは、環境問題に配慮でき、オーナー様へのメリットも大きい太陽光発電の最新情報も揃えてご相談に応じております。ご要望に合わせた提案を行っておりますので、ご興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。