2024/02/22

【安ければOK?】アパート建築における坪単価の基本を押さえる!

アパート 坪単価

「坪単価は安い方がいい」そう思っていませんか?アパート建築を検討する際、建築費用の目安に坪単価を重視しているという方も多いかもしれません。
しかし、坪単価だけではその建物の「高い」「安い」を判断することはできません。坪単価の決定には複数の要素が影響するため、坪単価の計算に何の項目が含まれているのかをきちんと把握することが大切です。
また、坪単価を抑えることばかりを重視すると、なかなか入居者が集まらないなど残念な結果につながる可能性も少なくありません。そこで今回は、アパートの構造別の坪単価や坪単価に影響する要素、チェックすべきポイントについて説明していきます。
記事の最後には、長期的にかかる費用についても解説しますので、アパート経営に必要な費用が気になる方は、ぜひご覧ください。

構造による坪単価の違い

坪単価は、建築する建物の構造によって変わります。

国税庁による「地域別・構図別の工事費用表【令和5年用分】」をもとに構造別の坪単価を算出すると、鉄筋コンクリート造が最も高く、次に鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造と続いています。木造はこれらの構造と比べると0.6倍前後の坪単価となり、最も低い水準を示します。
例えば鉄筋コンクリート造で200万円の坪単価が推定される場合、木造にすることでその単価を120万前後にまで押さえられるのです。


坪単価には地域などの差も影響するため一概には言い切れませんが、基本的に同じ仕様・設備のアパートで比較するならば、木造は他の工法と比べて価格を抑えて建築できることが分かります。

坪単価に影響する要素

坪単価は、建築する建物の構造や規模、間取り、形状、建築エリアなどの要素に大きく影響を受けます。本項目では、坪単価に影響を与える要素について以下の項目に分けて説明していきます。

・構造
・間取り
・形状
・建築エリア

坪単価を構成する要素を知ることで、建築にかかる費用の内訳を把握しやすくなります。
順番に見ていきましょう。

構造

坪単価を大きく左右する要素の1つが建物の構造です。
既に述べたように、2023年の構造別の坪単価では、価格の高い順に鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、木造となっており、一番高い鉄骨コンクリート造と一番価格の低い木造とでは大きな差があります。


一般的な住宅よりも坪数が大きくなるアパート建築では特に、構造の違いは最終的な費用に大きな影響を与えます。

間取り

間取りによっても坪単価が変わってきます。
同じ規模のアパートの場合、1Kや1Rなどのシングルタイプのアパートよりも2DK以上のファミリータイプのアパートの方が坪単価は安くなります。

これは、ファミリータイプよりもシングルタイプのアパートの方が、部屋数が多くなることが理由です。部屋数が多いと、その分キッチンやユニットバスなどの住宅設備や建具などの必要量が増え、1坪あたりの単価は高くなります。

形状

アパートの形状も坪単価に大きな影響を与える要素の1つです。
複雑な形状のアパートは、デザイン性が高くかっこよく見えますが、施工に手間がかかり工期が伸びるだけでなく、屋根や外壁の使用量も増え、建築コストが上がります。

正方形や長方形ではない変形地にアパートを建てる場合には、建物の形状も土地に合わせて建築する必要があり、坪単価が高くなってしまいます。
できるだけ坪単価を抑えるためには、長方形など凹凸のないシンプルな形状のアパートを検討した方が良いでしょう

土地の周辺環境

例えば、クレーンなどの大きな重機やトラックが入れない狭い道路に面した土地にアパートを建築する場合、材料の運搬や作業に多くの人出が必要です。交通整備が必要な場合にはその分の人件費もかかり、建築費用が増えてしまいます。

建物の坪単価を抑えたいと考えるときには、建物の価格だけでなく、土地の周辺環境についても検討する必要があります。

坪単価は安ければいいわけではない

アパート建築を考える際、かかる費用の指標になる坪単価ですが、安ければ良いとは限りません。
費用を抑えることを重視しすぎると、後から大掛かりな修繕が必要になり、余計な費用がかかってしまうこともあります。

また、建築するエリアの需要を満たしていない場合、そもそも入居者が集まらないといった状況を招く恐れもあります。

坪単価が高いとしても、土地の需要や入居者のニーズを満たしている場合は、少し家賃が高くても入居者が住み続けてくれる物件になるでしょう。

坪単価を比較するときにチェックすべきポイント

坪単価は、建物の建築費用がどれくらいかかるかの参考指標となるものです。

 建築したいアパートの候補がいくつかあるとき、坪単価が分かればその物件が高いか安いか判断できると考えてしまいがちですが、必ずしもそうとは言えないため注意が必要です。

 実は、坪単価は明確な算出方法が定められているわけではないため、同じ建物でも、業者によって坪単価が変わってくる場合があるのです。

ここからは、坪単価を比較するときにチェックすべきポイントについて順番に解説していきます。

地域のニーズを把握する

アパート経営において、地域のニーズは非常に重要な情報です。
地域のニーズを把握するためには、人口の動向や就労機会、学校や大学の有無などを調査する必要があります。

例えば、人口が増加している地域や、就労機会が多い地域では、ファミリータイプのアパートの需要が高く、学校や大学の周辺であれば学生や教職員をターゲットにしたシングルタイプのアパートの需要が高いと考えられます。

ただ建築費用を抑えることだけでなく、物件を構える地域のニーズを把握した上で建築の計画を立てることがアパート経営成功の鍵です。

相見積もりを取る

建築にかかる費用を比較したいときには、複数の業者や建築会社で相見積もりを取ります。
見積もりを比較するときは、坪単価だけでなく、工期や仕様、建築材料や設備の選択肢などについても注目した方が良いでしょう。

なぜなら、坪単価が安いからという理由だけで施工会社を選んだ場合、仕様や建築材料、設備などのグレードによっては、後からオプションを追加する必要があり、余計に費用がかかる場合もあるからです。

また、各会社のサービス内容や施工品質なども考慮し、予算やニーズに合った信頼できる施工会社を選ぶことが大切です。

坪単価に含まれる項目を確認する

坪単価は、「本体価格÷延床面積(坪)」で算出します。しかし、この「本体価格」や、「延床面積」が何を指すかについての明確な決まりはなく、坪単価の算出方法は業者によって異なる場合があります。

つまり、建築にかかるすべての費用が含まれていれば坪単価は高くなり、一部含まれていない項目があれば坪単価は安くなるのです。 

例えば、電気・水道の引き込み工事や、地盤補強費、足場工事費などの「付帯工事費」までを含めて本体価格として算出している場合と、付帯工事費は除いて算出している場合とでは、数十万の差がでることがあります。

付帯工事費以外にも、エアコンや照明器具などの設備費用や外構費用を計算に含めるかどうかによっても坪単価は変わります。

また、「延床面積」は、純粋に建物の床面積の合計を指す場合と、施工面積を指す場合の2パターンがあることに注意が必要です。
施工面積を指す場合、延べ床面積には含まれない吹き抜け部分や玄関ポーチなどの面積も含んで計算するため、同じ建物でも施工面積で坪単価を計算した方が坪単価は安くなります。

このように、坪単価は各社で算出方法が異なる場合も珍しくありません。
一見坪単価が安く見えたとしても、計算に何の項目が含まれているのかをきちんと確認し、それぞれの坪単価を同じ条件で比較することが重要です。

まとめ

建物を建築する際、値段の指標となる坪単価。出来るだけ費用を抑えたいと考える方も多いですが、坪単価は、安ければ良いという訳ではありません。設備のグレードや地域のニーズを考えなければ、後々大きな出費が必要となったり、入居者が集まらなかったりと、残念なアパートになってしまいます。

また、坪単価を比較する際には、それぞれの会社で算出方法が異なる場合があるため、計算に何が含まれているかをしっかり把握する必要があります。

坪単価を抑えたい場合は、構造や規模、間取り、形状、建築エリアなど坪単価を構成する複数の要素について、ひとつひとつ慎重に検討し、バランス良く費用を削減することが重要です。

特に、木造は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造よりも坪単価が抑えられます。

アパートを建築する場合、一般的な住宅よりも必要な坪数が大きくなるため、構造に木造を採用することで大幅なコストダウンが見込めます。

タカマツビルドなら、資産価値の高い木造アパートの設計・施工から賃貸経営、税金対策までトータルにサポートが可能です。

オーナー様、入居者様、双方のニーズに応えるアパート経営のご提案を心がけております。ぜひ一度お問合せください。

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